一年ほど前に学習机の修理を依頼されました。
お孫さんに、娘さんの使ったものをあげたいとのことでした。
大雨で川が氾濫した際に、机の脚部分が水に浸かってしまったものでした。
学習机の天板は「集成材」という無垢の木を集めて板にしたものでしたが、天板以外は、薄い紙のような板の表面に木目をプリントしてあり、中は木を細かく砕いたパーティクルボードでした。この材料が水に浸かってしまうと、水を吸ってしまい、ブカブカになってしまいます。紙が水に濡れてしまったような感じです。
脚の部分は作り直すことになりました。
天板と同じ集成材を使うことにしました。
もとの材料より重くなるので、同じような形ですが、軽くなるように変更しました。引出し部分は、もともとは固定されていたのですが、下にキャスターをつけて、動かせるようにしました。引出しの前板はもとのものを使っています。傷やシールのあとをそのままに、新しくした部分は、もともとの色に合わせて塗りました。
思い出はそのままに、使いやすくきれいに蘇りました。喜んで頂けたようで、とても良かったです。一安心しました。
しかし、思ったよりもとても難しい工程で、無垢の木だったら…と何度も思いました。「無垢の木」の良さを改めて感じました(^ー^;)