素材を活かした料理と、素材を活かした家具

先日の日曜日は、末娘の七五三でした。いつもお世話になっている、茂原の奥田写真館さんで写真を撮って頂いた後、東京銀座へ。以前、上の娘たちの七五三の時にもお世話になった日本料理「東屋(あづまや)」さんへ行きました。

こちらのお店は、ランチ、ディナーとも一日一組のみの貸切となるので、子供連れでも安心してお食事ができます。料理は、旬の食材を中心にしたおまかせコースのみで、この日は松茸や栗、鮭など日本の秋を感じられる幸せなメニューでした。どの料理も薄味で、素材の持ち味を活かした料理ばかり。素材勝負の料理は、化学調味料などで誤魔化すことができないので、職人さんは相当手間をかけ、下ごしらえをしているのでしょうね。日本に生まれてで良かった!と思わせてくれる、本当に美味しいお料理でした。

 

さて、私がこちらのお店を選んだのは、お料理以外にもう一つ理由がありました。それは、素晴らしい木の家具で食事ができるという事です。テーブル、椅子共に「栃の木」を使用していますが、先ずこの栃の木目が素晴らしい。縮杢と呼ばれるオーロラのような木目が木全体に広がっており、木の作り出した天然のデザインに最初のうっとり。栃の木は大きな板が取れるので、非常に人気のある木ですが、その中でもこれほどの杢が出る木は希少で、かなり貴重な材で製作されています。

また、テーブルの天板及び椅子の背もたれが釿(ちょうな)で加工してあり、その独特の仕上がりに二回目のうっとり。釿は、おそらく現在使いこなせる職人さんがかなり少ない道具のひとつで、独特の波状の削り肌をつくり出します。貴重な材木と優れた技術のハーモニーに、材木屋魂が揺さぶられ、すっかりと魅了されてしまいます。

おかみさんによると、こちらの家具はわざわざ岐阜でお買い求めになられたと言う事でした。岐阜というと我々材木業者にとっては、木の聖地です。日本全国の銘木が集まる大きな木材市場があります。ご主人、お料理と一緒で、お店づくりにもかなりこだわっていらっしゃいますね。

テーブルは、当初一枚板にしようと計画していたそうですが、店舗という常にエアコンにさらされるコンディションを考慮して、一枚の板を半分にして真ん中でジョイントする、ブックマッチで製作したそうです。(剥いだ方が曲がりにくいのです。)また、大勢のお客様が使用しても傷が目立ちにくいように、このような釿での名栗加工にしたそうです。

やはり銀座で腕一本でお店を切り盛りされているだけあって、こうした家具にもこだわりが沢山あるのですね!!素敵ですね!!東屋さんは「素材を活かした料理と、素材を活かした家具」で二度美味しいお店です。ぜひ機会があれば伺ってみてくださいね。

東屋さん http://www.azuma-ya.jp/